坂東流の活動
2025年1月25日(土)「芸の伝承 第9回ビデオ上映会」が開催されました
去る1月25日(土)浅草公会堂第一集会室で44名のご参加をいただき、第9回ビデオ上映会が開催されました。今回は 2 年前に亡くなられた坂東寿子先生のご所蔵のビデオから寿子先生・三津伎先生の『義太夫 猩々』、寿子先生・三津弥先生・三津緒先生の『清元 女車引』、三津之丞師・寿子先生の『吉野山』の三題です。
『猩々』は八代目のお振り付け。八代目がお能から取材した坂東流の演目です。三津伎先生の朗々たる台詞から始まる格調の高さ、寿子先生演じる猩々の「幽界に遊ぶ人ならぬもの」の存在感、身のこなしの軽やかさ、独自の足運び。あっという間のお時間でした。 続いては『女車引』。登場するのはご存じ『車引』の三兄弟の妻たちです。江戸褄のお 引き姿でしおらしく恋心、水仕事を踊る合間に松王、梅王、桜丸の心根で一枚の絵になる鮮やかさに歌舞伎の一幕を見る思いがいたしました。
休憩をはさんで昭和38年東横劇場での三津之丞の会より三津之丞師、寿子先生の『吉野山』です。こちらは8ミリで録画されたフィルムで無音であることもありその一部を以津緒先生、三信之輔先生のお話とともに拝見いたしました。「渋谷といえば歌舞伎」と言われた時代の東横劇場の華やかな様子のお話、三津之丞先生の指導のご様子を伺ったあとにお 舞台を拝見。寿子先生の初々しく気高い静御前に三津之丞先生は丁々発止の戦のやり取りが想像以上のスピード感でとても亡くなる三年前のお姿とは思えません。会場の皆様からアンケートに「踊りというものは何か?ということを考えさせられる素晴らしい時間でした。型を追うのではなく、自然と表現として生まれ、その世界をつくりあげていく。坂東とは、こうだと言わんばかりの踊りでした」と書いていただいた感想がとても印象的でした。
ご参加の皆様より頂戴しました貴重なご感想をご紹介させていただきます。是非ともご一読くださいませ
次回の第 10 回ビデオ上映会は令和7年7月に開催する予定をしております。お日にち、場所は追ってホームページ等でお知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。
(企画部)
